なぜコーチングなのか?

思い通りに動かない社員がいる——その“背景”にあるものとは?

2025年07月21日 14:42

経営者として日々、
「どうすれば社員がもっと自分らしく働けるか」
「なぜ、あの子はチームになじめないのか」


そんな問いを抱えている方も多いのではないでしょうか。


「作業が遅い」
「周囲への配慮がない」
「報連相が足りない」


そんな社員がいるとき、
「意識が低いのでは?」と思ってしまうこともあるかもしれません。



私自身、コーチングの学びと実践を深める中で、
最近ようやく気づいたことがあります。



それは、目の前の現象だけを見ても人は理解できないということ。




コーチングでは、
✓ 何ができるか?よりも
✓ どう在りたいか?
✓ 何を大切にしているか?
✓ それに向けて何ができるか?


そんな対話を通じて、その人の「本質」に触れていきます。


けれど、その土台になるはずの
✓ セルフイメージ
✓ 自己肯定感
✓ 自己効力感


こうした“自己との信頼関係”が弱まっていると、
どれだけ支援をしても、本人は「受け取れない」ことがあるのです。




私の話を少しだけさせてください。



過去の職場環境や人間関係で、
「自分はここにいていいのか?」
「浮いているかもしれない」


そんな感覚を持った経験がありました。



そのたびに、私は“その場”を離れてきました。
転職回数は7回。
けれど、どの職場でも「何かが合わない」と感じ続けていたんです。




最近、「内観」という手法を通じて、ようやく腑に落ちました。



私たちは、自分でも気づかぬうちに
“過去の世界”を今も生きているのだと。

・学生時代の挫折
・親からの言葉
・誰かに笑われた経験

そうした体験が、“今の現実の見え方”に影響している。



たとえば、こんな風に——

「私は浮いている」と思っている人は、
今の職場ではなく“過去”に傷ついたままの自分でここにいるのかもしれない。




経営者の視点に立つと、
社員の行動・態度・沈黙の裏には、
その人なりの「背景」があります。



大切なのは、

“なぜその行動をしているのか?”よりも



“どんな信じ込みや痛みを抱えて、

 なぜ、そうせざるを得なかったのか?”という問いです。





もちろん、業務上の改善は必要ですし、ルールや役割分担も大事。
でもそれだけでは、人は本当には変わらない。



人は、自分の“内側”にある痛みや誤解を癒して、
自分自身に信頼を取り戻したときに初めて——



✓スピードが上がる
✓人のことを考えられるようになる
✓安心して報連相できるようになる



つまり、「外側の行動」が自然に変わってくるのです。

そして、そんな社員が少しずつ増えていく。
それが、私が今、ブレイクスルーと呼んでいることです。




「社員の可能性を引き出したい」



そう願う経営者の皆さんにこそ、
まずは“在り方”に目を向けていただきたいと思っています。



未来の成果は、内面の変容から始まります。



誰かの痛みに静かに寄り添える組織ほど、
本当に強くてしなやかです。




もし、社内に
「自信がなさそう」
「本音が見えない」

「意識が低い」


そんな社員がいたら——
まずは“その背景”に、優しい目を向けてみてください。


経営者という立場からの「小さな気づき」が、
誰かにとっての“新しい世界”の扉になるかもしれません。